過払い事典

過払いによる債務額の圧縮

過払いが発生していた場合は、過払い分を債務の元本から差し引くというのが債務整理の基本です。その上で債務元本以上に過払い金がある場合は、さらに消費者金融など債権者に過払い金返還請求を行います。このように利息制限法に基づいて現在の債務元本を利息制限法上の元本に計算し直すことを「金利の引き直し」と言います。
債務整理の中でこの金利の引き直しによる債務整理を行っているのが、「特定調停」と「任意整理」です。
大まかな計算になりますが、消費者金融から29.2%の金利で50万円を借りて5年間返済し続けてきた場合、過払い分で借金はほとんどゼロに近くなります。
昔の高い金利で長期間返済している債務がある場合は、債務整理を行うと金利の引き直しで借金がゼロになったり、過払い金が返還されるケースがあります。
過払い分の返還まで望まなくても、借金がゼロになる場合もありますから債務整理を検討してみる価値はあります。

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ただし、債務整理を行うと、信用情報に金融事故歴が記載され、この記載が消えるまでの7年前後は、新たに融資を受けたり、クレジットカードで商品を購入することが出来なくなります。もちろん新たにクレジットカードを作ることも出来ません。
金利の引き直しの計算は自分で行うことも出来ますが、借入額、金利、返済年数といった簡単な情報を入力するだけで金利の引き直しの計算が行えるウェブページがインターネットを検索すると出てきます。こうしたツールで自分の借金が過払いでどの程度圧縮されるか調べてみることも可能です。

過払いとは

過払いとは、法律で定められている貸し出し利息を越えて支払った部分のお金のことです。現在は、グレーゾーン金利は撤廃の方向に進んでいますが、数年前までは、消費者金融を中心に利息制限法の上限金利を越えた29.2%などの高金利が貸し出し金利に使われていました。貸出金利にはもうひとつ出資法という法律があるのですが、この出資法の上限金利が29.2%で、これを越えると法的罰則が適用になります。しかし利息制限法ではその上限金利を越えた貸付を行っても罰則規定がなく、高金利がまかり通っていたのです。過払いの問題は金利に関して2つの法律が矛盾して共存しているところから発生してきた問題でもあるのです。

ちなみに利息制限法の上限金利は
 ■10万円未満~年20%

 ■10万円以上、100万円未満~年18%

 ■100万円以上~年15%
となります。

現在の消費者金融やカードローン、クレジットカードキャッシングの貸し出し金利を見てみると、この利息制限法の上限金利の範囲内で納まっているはずです。したがって、今新たにこうした金融会社からキャッシングした借金では過払いは発生しないことになります。しかし、問題は現在も昔のグレーゾーン金利で借金を返済し続けている方もいるということす。こうした方の多くは過払いが発生しているはずですから、法的な手続きで過払い金の返還請求を行うべきだと言えます。
しかし一方で、すでに5、6年前から債務者の債務整理によって、業界全体で見ても多額の過払い金が支払われており、もともと体力がなかった小規模の貸金業者は破綻に追い込まれたところも多数あり、過払い金の返還を行おうとしても無理なケースも出てきています。

過払いと債務整理

金利の引き直しによる過払いを割り出し債務整理を行うものに、「特定調停」」と「任意整理」がありますが、これらの債務整理はどのような手続きを踏むのでしょうか。
特定調停は、債務整理の中でも費用もかからず、また弁護士に依頼することもなく進められ簡便な債務整理です。
窓口は最寄の簡易裁判所で、手続きとしては、自分の債務情報と収入・支出を書類にまとめ、裁判所担当者と面談します。この面談で特定調停を進めて債務整理できそうだと判断されると、特定調停を申し立てすることが出来ます。
またこの時点で、調停の結果が出るまでは借金の返済をしなくてもよくなリます。
調停当日までに裁判所調停員が各債務情報をもとに金利の引き直し、過払い算出を行い、債権者との折衝も済ませている場合が多く、調停当日は債権者との確認を電話で行い、申立人はその結果を確認し合意できたことが決定事項となります。

任意整理は裁判所を通さず、弁護士を通じて行う債務整理です。
任意整理でも債務情報や収支状況について弁護士と情報を共有しますが、その後は全て弁護士が進めていきますので、裁判所に出向く必要がない分、特定調停よりも依頼者は楽です。
任意整理では、元本を超えるような過払いが出ている場合は、過払い金返還の訴訟を起こして過払い金返還まで進めていきますので、過払い金が返還できると見込める場合は任意整理を選択しましょう。ただし、過払い金返還訴訟は別途費用がかかりますので、訴訟を起こすかどうかは返還される過払い金の額によって判断されるところです。
特定調停は、元本を超えるような過払い金が発生していても、基本的にゼロ和解に持ち込むこところまで調停結果を固めます。しかし、たとえ過払い金が戻らなくても、1万円以下の費用で数百万円の借金がゼロ和解できるのであれば十分だと言えるでしょう。

 
 

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